日本産の最後の雄トキが急死
新潟県佐渡島の佐渡トキ保護センターで飼育されていた特別天然記念物のトキの雄「ミドリ」(推定年齢21歳以上)が1995年4月30日、死亡した。これにより日本産のトキは、雄が絶滅し、高齢で繁殖能力がないメスの「キン」(同28歳)1羽だけになった。ミドリは中国から借り受けた雌の「フォンフォン」とペアリングし、5個の卵が生まれたばかりだった。孵化しなかった場合、日本のトキの系統は途絶えることになる。
◆いま◆
卵は孵化せず、4年後に中国からつがいの2羽が贈呈された。「ユウユウ」を皮切りに繁殖が軌道に乗り、その後は放鳥して自然に返す「野生復帰」に力を入れている。2022年には生息数が500羽を超え、野生下で生まれた個体も380羽が確認された。
聞きかじりですが、佐渡の朱鷺が元気にしているのは、農家が農薬を我慢して使っていないことが背景にあるらしい。カメムシなどを退治する農薬・ネオニコチノイド(ネオニコ)は、カメムシだけでなく他のお昆虫にも大きな影響があり、田んぼや川、池からドジョウやフナなどを駆逐している。川で釣れていた小魚が釣れなくなり、養蜂のハチがまるで夜逃げしたように帰巣しなくなった……らしい。最近は人間の子どもに発達障害をもたらす、との学説もあるとか。
日本の学者の論文を読み、EUなど外国がネオニコの使用禁止に踏み切っている(らしい)が、日本では国会で野党が追及しても、のらりくらりの状態が続いているようです。
朱鷺を救うために、農薬使用をやめた佐渡の農家は称揚されるべきでしょうが、人手不足などで農薬を使わざるを得ない農家への「手」もあったらな、と思います。蜜蜂が激減し、果物類が影響しているほか、「怪しい蜂蜜」が出回っているらしい。